[後編:対談] V(ヴィジュアル)系ロックの歴史総括&まとめ!X JAPAN,LUNA SEA,L’Arc~en~CielからSHAZNA、Dir en greyを経て,,,V系大御所音楽ライターと元SHOXX編集長が語る。

[後編:対談] V(ヴィジュアル)系ロックの歴史総括&まとめ!X JAPAN,LUNA SEA,L'Arc~en~CielからSHAZNA、Dir en greyを経て,,,V系大御所音楽ライターと元SHOXX編集長が語る。

今回は渋谷のロックバーにて、V系ロックを創世記から見てきた音楽ライター:長澤氏(現在次なるブーム「ガールズロック」を盛り上げ中!)とV系ロック雑誌SHOXXの元編集長(現Stuppy編集部):鈴木ぽっくん氏にお越し頂き、日本のV系ロックの興り〜現代までの進化についてご対談頂いた。

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長澤 智典氏:以下表記「長」
鈴木ぽっくん氏:以下表記「ぽ」

[対談:前編] X JAPAN,LUNA SEA,L'Arc~en~CielからDir en greyまで,,,V系大御所音楽ライターと元SHOXX編集長が語る、V(ヴィジュアル)系ロックの歴史総括&まとめ!|Myuu♪

V(ヴィジュアル)系を極めたSHAZNA

ぽ:で、この後SHAZNAが出てきて、、いわゆるV系を極めた感じですよね、彼らは。V系好きからしたら反対されるかもしれないけど、Xからはじまったこのジャンルの完成系はSHAZNAだと思ってるんだよね。
長:あそうなんですかね?
ぽ:というのもこの意味は、音楽的に高まってきたという事じゃなくて、「ここまでいっちゃうんだ」といった感じ。行ききったスタイル。

大浜:それは容姿について?
ぽ:全てですね。音楽、容姿、売り方まで全部。結局Xから始まった異端のカルチャーが、最後はある種アイドル的な感じになって、「あそこまでいっちゃったか」って。で、そのあとヴィジュアル系はメインスリームからはまた外れていくという。
長:確かに。SHAZNAは本当に歌謡曲ですもんね、女方の。
ぽ:そういう意味ではやっぱりSHAZNAはV系の中でも異端じゃなくて本筋だと思うんだよね。行ききった形の完成系。僕らみたいな、ファンというよりもまとめる立場にいる人間は彼らをV系の様式の中のメインストリームとしてみないといけない。「あれはV系じゃない」とは言えない。
長:むしろ逆にGLAYが異端ですよね。
ぽ:そうですね、GLAYの方が異端かもしれないですね。(GLAYは)V系とはいえ、オープンマインド。歌詞とか普遍的だし誰の琴線にも触れる。でもV系の本質は基本クローズ、内に内にだから逆なんですよ。まあGLAYをV系と言ったら怒られるかもしれないけど。
長:そう、ビジュアルのくくりではないんだろうね。本人達はもともとV系の世界にいたはいたけど。そういう意味では黒夢とかラルクはしっかり源流の中にあると思いますけどね。

崩壊したV系を再構築したDir en grey

長:あとは今で言う病んでる世界なんかも、黒夢が原点だと思いますけどね。
ぽ:96年〜97年のSHAZNAとLa’cryma Christiの大ブレイク後、行き過ぎて崩壊したじゃないですか。その後原点回帰した。また内に内に、クローズにね。今「病んだ」って言葉が出てきたけど、the GazettEもNIGHTMAREもそうだからね。
長:まあそれで言うとやっぱり新しい流れをつくったのはDir en greyなんですよ。あのスタイルが斬新だったんですよ。最初はそこまで激しくなく耽美だったけど。
ぽ:今ディル好きでやってる若手は大物に本当多いですよね。
長:Dir en greyの影響はメチャクチャでかい。ディルが一旦しぼんだシーンを原点にもどしたんですよ。本人達がどう思うかは分からないけど。
ぽ:あとディルの凄いところは必ずしも演奏、楽器がウリではないのに、何故か男性ファンが多いんですよね。男性ファンは普通演奏力とかでバンドを見ますからね。あれは新しいですよね、男達がみんな食いついた。

長:あとは煽り文化!ディルの煽りもみんなが食いついた。
ぽ:煽りってわかります?
大浜:はい、観客を挑発するやつですよね?
ぽ:そうそう、LIVE中のね。「オイ、、オメェら!ラスト3回!」ってやつ。
長:あれこそ正にディルがつくった今でいう本流ですよ。
ぽ:もう煽りを何回も繰り返すから関係者は辛いのよ笑 なんども繰り返しされて笑
長:お客さんはいいけどね笑
ぽ:「オイ、、追加だ!ラスト2回」って笑 あれつくったのはディルですよね。
長:ディルですね。

長:あとMALICE MIZERも1つのV系の形をつくりましたね。
ぽ:マリスもSHAZNAと一緒で究極、いききった。ブレイク寸前でGACKTくんがやめちゃってね。やめなければ、今のヴィジュアル系のカタチは、また違うものに変わっていたかもしれない。まとめるとSHAZNA、MALICE MIZERで行ききって、そのあと崩壊してまたDir en greyで原点回帰、V系のニューウェーブだよね。
ぽ:またディル位からヤンキー臭も減ってきましたよね。みんな病みだした。
長:「病んでる」というシーン自体は昔からあるんですけどね。
ぽ:あからさまに表現して出てきたのはディルですよね。自傷的な部分をMV(Music video)とかでも表現してたし。 

[対談:前編] X,LUNA SEA,L'Arc~en~CielからSHAZNA、Dir en greyを経て,,,V系大御所音楽ライターと元SHOXX編集長が語る、V(ヴィジュアル)系ロックの歴史総括&まとめ!

90年代のV系バンドは体育会系の男らしいイメージがあって、以降はV系=女っぽい感じがするんですけど、その辺の変化ってありますか?

ぽ:90年代初頭はマッチョな世界ですよね。X然り。
長:ディルは00年?
大浜:確か99年ですね。当時僕が中1で、3枚同時シングルリリースとかしてた頃だと思います。
ぽ:そこら辺からマッチョ感はなくなってきましたよね。いわゆる病んできて。
長:病んでる文化はでかいですよね。
ぽ:隠してたでしょ?V系ファンもそれ(複雑な家庭事情とか)を隠してたんですよ。でもディルはそれを表現してた。自傷の部分とか。
長:自傷感は黒夢からもありましたね。
ぽ:黒夢からあったけど、メジャーにしたのがディルですよね。
長:初期ラルクも病んでる感はあった。耽美と同居。V系はやはり影を持ってなんぼ。
ぽ:あれも1つの奇跡だよね、普通シーンって崩壊すると跡形もなく消え去っちゃうんだけど、SHAZNA以降また蘇ったのがすごい。
長:確かにね〜。音楽性もガラッと変わった。昔はXの流れで歌謡メロ。ディル以降はサウンド志向になってきた気がする。
ぽ:ディルの音楽はどこからきてるんですか?
長:ハードコア?なんだろう。
ぽ:初期のディルは洋楽からの影響は少ないように感じますが。人気ありました?普通の子達にも。
大浜:多少寄りはありましたけど、まあ知ってはいましたね。

長:あと煽る文化はTHE DEAD P☆P STARS(ザ デッドポップスターズ)がやってたんですよね。ひょっとしたら最初はあすこかもしれない。
ぽ:もともとかまいたちっていうバンドのね。そのリーダーがつくったバンド、X世代ですよ。
ぽ:ああゆう煽りっていうのも1つの発明ですよ。なんだかんだ10年以上続いてるし。
長:ディルも昔は激しくないしね、メロディアスで。
ぽ:あとはPIERROT(ピエロ)だよね。ディルとピエロって当時はライバルで、PIERROTも病んでる。
長:まさに病んでる文化。
ぽ:PIERROTとDir en greyっていうのも奇跡的だったよね。ピエロは一般の知名度どうでした?
大浜:鋼鉄のメシアは覚えてますね。

長:ディル以降は混沌としてる。いうほど斬新な流れはないのかなと。
ぽ:結局保守的なヤンキー文化だから、もとが。なかなか緩やかにしか変化しないんだけど、どっかで革命的な人が出てくる、cali≠gariとかbaroqueとか。ガラッと変えちゃう様な。
長:baroqueとかオシャレ系でしたもんね。
長:ムックとか、暗黒系だっけ?密室系?
ぽ:cali≠gariだね。密室系の流れがムックですよね。
長:以降は新しい言葉とか出てきてないですよね〜。

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じゃあ最後に、お2人がこれまでを通して1番印象に残っているV系バンドは何ですか?

長:僕はEX-ANS(エクスアンス)。今年10月10日に20数年ぶりに復活するんですよ。僕は完全にそこ。当時はV系って言葉もなくて黒服系?って感じだったけど、彼らを観て惚れ込んでこのシーンに入ってきたんですよね。そのあと聴いてカッコイイなと思ったのはD’ERLANGER(デランジェ)ですね。いわゆるXとかのハードロックシーンは殆ど知らなかったですね。
ぽ:それを自分で媒体に売り込んでたんですか?
長:いや、趣味でイベント開いて色んなバンドを呼んでたんですよ。5~6年位やってましたね。
ぽ:V系の?
長:そうですね。
ぽ:V系のどこが長澤さんにささったんですか?

長:耽美メロですかね。V系の基準は人それぞれだと思うけど、僕の中では耽美でメロウ、ゴシック的な流れ、黒さですよね。激しさはあんまり求めてないですね。今でいう病んでる系の元祖的なところがV系の原点だと思ってますね。人それぞれだけどね。一般的にはハードロックの流れ、いわゆるXの流れが王道になってるとは思うけど。まあどのバンドにも言える事は共通は「切なさ」「いたさ」。そこをつくったのは完全にEX-ANSだと思っています。ハードロックの流れではなくポジパンからの流れってことですね。黒夢だってポジパンの流れですしね。ぽっくんは?

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ぽ:僕は仕事としてこの世界に入ったんですよ。音楽専科に入って、星子さんっていう前の編集者の元で。知識ゼロの「V系って何だろう」ってレベルから入ったんですよね。だから演奏を聴いて衝撃を受けたっていうより、仕事として「なるほど」と思ったっていう感じなんですよね。そういう意味ではROUAGEかな。仕事として最初に担当したバンド。当時新人で売れ始めてて、担当だったから密に付き合って、最初は「なんだこいつら化粧ばっかしやがって!」と思ってて笑 寡黙な奴らであんまり身近にいないタイプの人間だったんだよね。だから最初は全然理解できなくて、でも彼らと付き合っていく中でV系の演者の気持ちとか、ユーザーがどこに響いてるのかとかを教えてもらった感じ?先生的な。そういう意味では思い入れがありますね。

非リア充=V系??

長:やっぱりね、V系は明るいやつはダメなんですよ笑 影の文化、内向的な文化ですから。お客さん然りね。
ぽ:ま、学校で人気者で毎日楽しく暮らしている人たちには関係ないですよね。
大浜:リア充には違いますよね笑
長:なかなか輪に入れない孤独な人たちの集まりですからね。だからこそ好きだったりするんですよね。いわゆる当時の流行り系の文化にはついていけなかったし。

ぽ:SHAZNAとかラクリマの時は普通の子もファンに取り込んでましたけどね〜。
長:あれは番組の影響もデカいんじゃないですかね。
大浜:GLAYもやっぱり周りを見ても一般レベルでファンがいますね。LUNA SEAとかになるとちょっとまたコアな層になってくる。
長:GLAYはたまたまV系にいたからそういうカテゴリーになってるってところですよね。実際王道のJ-ROCK,POPですもんね。
ぽ:J-POPですね、ミスチルとカテゴリーは一緒ですよ。
長:いい意味でBOOWYの流れをうまく継承してる。
ぽ:まあHISASHIとかはV系の色を持ってるけどね。

大浜:あと、LIVEハウスで鹿鳴館って良く聞きますが、なぜロックの登竜門的なハコのイメージがあるんですかね?
ぽ:やっぱりXの力でしょうね。もともと鹿鳴館はハードロックのハコで、Xもハードロックのくくりで出てましたからね。で、気が付いたらハードロックが衰退してV系がみんなそこに行くようになったと。
長:PENICILLINとかもそこで7daysでしたっけ?とかもやってましたよね。毎月日にちを増やしていくみたいな。でも今は鹿鳴館の周りもハコないですもんね。とにかく昔はV系が出れるハコが本当なかったですからね。
ぽ:ハコから嫌われてましたからね、V系は笑 LIVEハウス運営するようなオヤジは自称音楽的にうるさい人たちでしたから。LOFTやeggmanも出れなかったですよ。
長:LOFTは企画でしか無理、僕もイベントで使ってましたけど。下北沢系も一切タッチしてなかったですね。出れるのは新規のLIVEハウス系、RUIDOとかね。
ぽ:四谷フォーバレーはV系けっこうでてましたよ。Xもでてた。新宿は底辺がJAMで、どこにも出れないようなバンドがでてた。大学のサークルとかにも貸してたしね。
長:HEAD POWERとか。
ぽ:渋谷の東急ハンズの地下にもありましたよね。

長:やっぱりLIVE STATIONが多かったのかなあ。あと高円寺のレイジーウェイズ!ここはGLAYもPENICILLINもMALICE MIZERも出てましたね。当時一番最初にSHAZNAの面倒みたのここですよ。当時の若手が一番集まりやすかったんですね〜。

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と、この後も(表には出せない)色々なネタを肴に、そのまま酒盛りへと突入しました。是非これを読んで日本のV系ロックに関心を持ってもらえたら幸いです。反響次第では第2回も開催していきますので、宜しくお願い致します。

前編を見ていない方はこちら→ V(ビジュアル)系って一体どこから生まれたの?〜名だたるV系が憧れたバンド「DEAD END」

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<取材協力>
店舗名:BAR SWEEET ROCK
HP:http://www.sweeetrock.com
食べログ:http://goo.gl/YHHi3x
facebook:https://goo.gl/jn6ykS
アクセス:東京都渋谷区渋谷3-15-2 MTエステートビル 6F
渋谷駅南改札下車、徒歩5分 明治通り沿い

メロディックロック、メロディックハードロックを中心に産業ロック、AOR、ハードポップまで爽やかで哀愁のあるロックをおもに選曲するDJスタイルのバーです。
ブリティッシュ、パワーメタル、スラッシュ、LAメタル、北欧メタル、アメリカンロックなどの洋楽HR/HMとジャパメタももちろん。

■編集長のコメント
高級マンションのラウンジの様なエグゼクティブ空間で、まるでマスターAki姉さんの部屋に遊びに行っている感覚です。若くて綺麗な女性ユーザーも多いそうなので、是非ナウでヤングなメンズ達も足を運んでみてはいかがでしょうか。
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Tak Ohama

Tak OhamaMyuu♪ 編集長

投稿者プロフィール

中学からX JAPANやL'Arc〜en〜Cielにハマり、高校からバンド(ギター)を始める。大学ではドラムに転身し、HR/HMに没頭。在学中よりバンド仲間とITベンチャーを経営し、その後エンタメ事業を手がける会社「Cowboy」を別途立ち上げネットTVなどを活用したアーティストPRに従事した後、音楽×ライフスタイルメディアの「Myuu♪」をリリース。

<好きなバンド・アーティスト>
[邦楽]:X JAPAN/L'Arc〜en〜Ciel/LUNA SEA/WANDS/T-BOLAN/TUBE/BOOWY/矢沢 永吉/BABY METAL
[洋楽]:ANGRA/SlipKnoT/Dragon Force/Dream Theater/

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