[前編:対談] V(ヴィジュアル)系ロックの歴史総括&まとめ!X JAPAN,LUNA SEA,L’Arc~en~CielからSHAZNA、Dir en greyを経て,,,V系大御所音楽ライターと元SHOXX編集長が語る。

[後編:対談] V(ヴィジュアル)系ロックの歴史総括&まとめ!X JAPAN,LUNA SEA,L'Arc~en~CielからSHAZNA、Dir en greyを経て,,,V系大御所音楽ライターと元SHOXX編集長が語る。

今回は渋谷のロックバーにて、V系ロックを創世記から見てきた音楽ライター:長澤氏(現在次なるブーム「ガールズロック」を盛り上げ中!)とV系ロック雑誌SHOXXの元編集長(現Stuppy編集部):鈴木ぽっくん氏にお越し頂き、日本のV系ロックの興り〜現代までの進化についてご対談頂いた。

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長澤 智典氏:以下表記「長」
鈴木ぽっくん氏:以下表記「ぽ」

ぽ:長澤さんとは付き合い長いですが、元々何者なんですか?最初からライター志望で?
長:いやいや、そんなことないですよ。元々書くのは好きでアルバイトとかでやってたんですけど。
ぽ:書くこと好きだったんですね?
長:はい、嫌いじゃなかったですね。すごい字は汚いけど笑

ぽ:あの頃(1980年後半〜1990年前半)は、音楽を「聴く」のと同じくらい「評論」志望の人も多かったですよね。
長:評論家志望多かったですね〜。「渋谷(陽一)さん」とか「大貫(憲章)さん」ぽい文章を書きたい、的な。
ぽ:渋谷さんや大貫さんの文を「読みたい」人も多かった。

[対談:前編] X JAPAN,LUNA SEA,L'Arc~en~CielからDir en greyまで,,,V系大御所音楽ライターと元SHOXX編集長が語る、V(ヴィジュアル)系ロックの歴史総括&まとめ!

V(ビジュアル)系って一体どこから生まれたの?

ぽ:一般的にわかりやすくいうとXからだけど、その前は?Xからいきなり?
長:いえ、元々ハードロックの方でもありましたよ。44マグナムとかも化粧してました。
ぽ:グラデーションになってるってことですよね。僕らとXは同世代ですもんね。いわゆる洋楽HRしか聴いてない世代。
長:化粧文化はもともとグラムロックやニューウェーブでもありましたよね。
ぽ:なるほど、では昔からお化粧しているハードロックバンドはいたってことですけど、なぜXからビジュアルと言われるようになったんですかね?
長:なんでですかね?メタルメタルしてない、大衆寄りだからでしょうね。
ぽ:彼らは洋楽だけ追うのではなくて、日本の歌謡やハードコアパンクとかも取り入れたミクスチャーな感じでしたよね。Xは柔軟でなんでも取り入れた。
*当時ハードロック好きといえば王道、伝統を守って一途でなければならないといった風潮があった。
長:歌謡ロックですよね。

ぽ:また、当時のXは自称本格的ロックやってる人からは嫌われていましたよね?「あんなのロックじゃねえ。歌謡曲だ。邪道だって。」
長:まあそういう流れを持ったバンドがこっち(V系)に入ってきたわけでしょう。COLORもパンクだけどポップ、キャッチーなんですよね。僕思うんですけど、V系としての要素は耽美、切な的がキーだと思うんですよね。
ぽ:その耽美さってニューウェーブからの影響?洋楽の。
長:そうですね、あとはポジティブパンクとかですね。
ぽ:ポジパン、ヘビメタのミックス。
長:LUNA SEAとか正にそうですよね。

ぽ:LUNA SEAはヘビメタヘビメタしてないですよね。
長:あそこはいい意味でハイブリッドしてて、色んなジャンルが混じってる。
ぽ:LUNA SEAは(Xと比べて)さらに柔軟になった気がする。本人たちは否定するかもしれないけど、BOOWYとかのビートロックぽい。JAPANとかの耽美テイストもある。
長:SUGIZOもニューウェーブだし、まあ彼らの初期はHRの流れが強いけど。
ぽ:でもそれは自然で、日本のロックはもともと洋楽ハードロックが根幹にありますからね
ぽ:当時、楽器をやる人は大概ハードロックから影響受けてましたよね。
長:当時のV系はハードロックの影響強いですよね。ラルクとかもそうですよね。DEAD ENDからの影響受けてますしね。

[対談:前編] X,LUNA SEA,L'Arc~en~CielからSHAZNA、Dir en greyを経て,,,V系大御所音楽ライターと元SHOXX編集長が語る、V(ヴィジュアル)系ロックの歴史総括&まとめ!

ぽ:そうですね。まあXが新しかったっていうのは、ハードロック主体としながらも、割となんでも柔軟に取り入れたところでしょうね。その分洋楽のHRリスナーからは反発受けたけども。X(ハードロック主体で柔軟)のファンは、初めてロックに触れた人たちに支えられてましたね。
長:XもだしCOLORもそう。激しいことやってたけどキャッチー。ヤンチャや不良性がキーワードで、そこに惹かれてた。まあ当時のシーンからいえば邪道だった人たちが集まった感じだですよね。
ぽ:そう、結局邪道なんですよね。

2人がV系に初めて触れた時

長:まあ僕が一番好きなのはEX-ANS(エクスアンス)なんですけどね。
ぽ:それはじめて聞いたね笑 原体験教えてください。
長:何で繋がったか覚えてないんだけど、彼らのLIVE観たときに耽美でゴスな(V系たる)ポイントを全部ついてたんですよね。当時「これが新しいスタイルだ!」って思って。 
ぽ:今のユーザーにゴスって通じる?
大浜:はい、ゴシックのゴスですよね?通じると思います。
な:昔は言わなかったけどね。当時は耽美系、ポジパン系。今のV系は切な、病んでる系のイメージが強いじゃないですか。哀愁とか。僕はこの原点はEX-ANSしかないと思ってるんで。もしくはD’ERLANGER(デランジェ)とかね。
ぽ:そうなの?イメージない。当時は僕もまだその世界で仕事もしてないから。
長:BOOWYの流れ組んでる、ビートロック。メタルではないですね。
ぽ:当時は混沌としてて面白かったんじゃないですか?今は様式ができてるけど、昔はないからなんでもあり。V雑誌には出てても音楽的には多彩でしたよね。
ぽ:元々音楽を形容したジャンルじゃないからね。グラムロックと一緒で。
長:化粧した人の集まりだからね。
ぽ:ハードロックのくくりとはまた違うもんね。音楽的には何でもよかった。

V系はヤンキー気質

長:あとファミリー感も強かった。
ぽ:あれはヤンキー気質だよね。殿様がいて絶対服従みたいな笑。あれやっぱり日本独自の文化、V系の特徴ですよね。
長:超縦社会ですよね。

ぽ:音楽業界は昔から縦社会だったけど、V系は特にそれが強い。横綱誰、大関誰、絶対服従。あれってお笑いと一緒で始めた順。人気的には下剋上が起きるんだけど、上下関係の番付は変わらない。
長:そうそう。
ぽ:渋公(渋谷公会堂)パンパンにして成功してるバンドがLIVEハウスクラスの先輩にへこへこしたり。
長:そこは今でも変わらないんじゃないですか?笑
ぽ:一番驚愕したのは、メインが楽屋占領して他のバンドは皆階段にいたこと笑
長:笑
ぽ:あれって今はないですよね?
長:今は均等に仲良く。当時は閉鎖的。異文化。対外的にもなんだあのシーンはと思われてたからね。まあそれが逆に良かったんでしょうね。当時は化粧ばっかで演奏下手なんて言われてたけど、今は違う。

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大浜:レーズンバターきました。
ぽ:レーズンバターはバブルの懐かしい感じですよね〜。飲み屋でキスチョコがでたり笑
長:そうか、これ今の人は知らないのか笑
ぽ:大浜さんこれ大丈夫かな〜?起こすの死にますよ?笑
長:誰かに頼んだほうがいいですよ笑
大浜:大好きなネタでニヤニヤ聴きながら起こすので全然問題ありません笑

YOSHIKI率いるExtacy(エクスタシー)系

大浜:よくXは歌謡ロックなどといった表現を聞いたりしますけど、メロが売れ線、大衆受けって事ですか?
ぽ:メロは明らかに日本的ですよね。端的に言うと符割りが長いんですよね。メタルは基本「タタタタタタ〜!」とたたみ掛けるように細かい。
長:メタルも、パンクも、ポジパンも異端が集まったのがV系ですからね。
ぽ:V系は圧倒的に分かりやすいですもんね、メロが。
長:キャッチー、親しみやすい。
ぽ:YOSHIKIさんはこれ狙ってやってたんでしょうか?
長:どうでしょうね〜。
ぽ:当時仕事しててどうでした?
長:僕Xだけは取材したことないんですよ。あっLADIES ROOMもないかな。当時のハードロック色の強いバンドはあまり接点なかったんですよ。(エクスタシー系は)最初EX-ANSから入って、大体どのバンドとも会いましたね。
ぽ:X~LUNA SEAの流れは奇跡ですよね。元々異端だった分野をうまくポピュラーな方に持って行って、お茶の間に浸透させた。これはXだけだとX=ヴィジュアル系で終わっていたと思う。
長:そういう意味でもLUNA SEAの功績はでかい。まあそういう異端の集まる場所ができたのがいいんですよね。

GLAYは?

長:GLAYも元エクスタシー。自分たちで独立したのはもっと後だけどね、ずっと事務所はエクスタシーの流れで始まってるしね。
ぽ:YOSHIKIさんプロデュースだしね。プラチナムっていうメジャーいった会社もYOSHIKIさん達がつくった会社。グロリアスとかメチャクチャ売れてる頃ね。SHOXXでも毎月の様に何回も取材をさせてもらいましたよ。

L’Arc~en~Cielは?

ぽ:僕はそこらへんからV系の仕事し始めたんですよね。ラルクが野音パンパンにし始めた時、武道館やったくらいかな。GLAYはグロリアス出してヒット飛ばしてた時だね。
長:あの頃は3レーベル「Extacy」「Free-Will」「DANGER CRUE」が主流ですもんね。
ぽ:あとスウィートハートも君臨してました。あの頃はもうLUNA SEAが絶対的な存在でしたから。アルバム「MOTHER」を出した頃だったかな。

ぽ:あと名古屋系が。黒夢がとっくにデビューしてて、銀バラ(Silver-Rose)ROUAGE(ルアージュ)みたいな流れが出てきてた。

長:Silver-Roseと黒夢が拮抗してる感じで始まって。実は清春くんはその前にGARNETっていうバンドもやってたんですけどね。
ぽ:そう言われると名古屋はメタル色ないですね??なぜ?
長:なんだろうね。気が付いたらそういうシーンになってた。
ぽ:名古屋のV系は独特な流れがありますね。
長:Silver-Roseと黒夢が二軸でしたね。名古屋系も面白かったけどね〜。
ぽ:なんだろう、やっぱりSHOPがあったからよかったのかな?今みたいにネットはないし雑誌もV系を扱わないから、インディーズSHOPが果たす役割が大きかった。そこに集まってみんなで情報交換するという。名古屋はそれが熱かったね。

名だたるV系が憧れたバンド「DEAD END」

長:あとDEAD ENDの影響はでかい。
ぽ:あ〜DEAD ENDの影響はデカイですね、V系は。
長:ラルクとかもろに影響受けてますからね。
ぽ:ラルクはGASTUNK(ガスタンク)とかも好きでしたよね。DEAD ENDは女性にも人気で。
ぽ:そこらへんで初めて日本のロックが商売として成り立ち始めましたよね。それまではもうこのジャンルは成り立たなかった。レコード会社のディレクター達も割と「日本のロックの火を閉ざしちゃいけない」っていう思いだけで細々とやってましたから。メーカーも洋楽レーベルでこの辺りを頑張ってた。
長:メジャーどころはどこもV系はやってなかったですからね。
ぽ:Xや、ちょっと前だけどBOOWYでビジネスとして成立した感じですね。
長:BUCK-TICKもそうですね。
ぽ:でもXはいきなりSONYですもんね。そういう意味でSONYはラジカルでしたよね。大手だけど冒険的。
長:あとSDがあったしね。あれによるネットワークが半端ないです。
大浜:SDって何ですか?
長:新人オーディションの事ですね。
大浜:あ〜なるほど!確かXもSONYのオーディション出てましたね。

ぽ:まあでもXに関して言えば、SONYは別に冒険じゃないかもしれないですね。だってXは当時インディーズですでに話題になってましたし。SONYが育てたって訳じゃないですもんね。争奪になってたし。
長:それでSONYが獲得したって感じでしたもんね。同時に当時はクラウンがCOLORを獲得して。この2つはデビューも同じですし、一般的に言うといわゆるココがV系元年ですよ。
長:ちなみに、SONYでV系は、XとLADIES ROOMのみでしたっけ?
ぽ:当時はそうですね。
長:ラルクくらいからですよね、その後は。
ぽ:Ki/oon Musicですね。当時のKi/oon Musicっていったらけっこう新進気鋭なイメージがありましたね。

後編はこちら→ V(ヴィジュアル)系を極めたSHAZNA〜非リア充=V系??

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[対談:前編] X,LUNA SEA,L'Arc~en~CielからSHAZNA、Dir en greyを経て,,,V系大御所音楽ライターと元SHOXX編集長が語る、V(ヴィジュアル)系ロックの歴史総括&まとめ!

<取材協力>
店舗名:BAR SWEEET ROCK
HP:http://www.sweeetrock.com
食べログ:http://goo.gl/YHHi3x
facebook:https://goo.gl/jn6ykS
アクセス:東京都渋谷区渋谷3-15-2 MTエステートビル 6F
渋谷駅南改札下車、徒歩5分 明治通り沿い

メロディックロック、メロディックハードロックを中心に産業ロック、AOR、ハードポップまで爽やかで哀愁のあるロックをおもに選曲するDJスタイルのバーです。
ブリティッシュ、パワーメタル、スラッシュ、LAメタル、北欧メタル、アメリカンロックなどの洋楽HR/HMとジャパメタももちろん。

■編集長のコメント
高級マンションのラウンジの様なエグゼクティブ空間で、まるでマスターAki姉さんの部屋に遊びに行っている感覚です。若くて綺麗な女性ユーザーも多いそうなので、是非ナウでヤングなメンズ達も足を運んでみてはいかがでしょうか。
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Tak Ohama

Tak OhamaMyuu♪ 編集長

投稿者プロフィール

中学からX JAPANやL'Arc〜en〜Cielにハマり、高校からバンド(ギター)を始める。大学ではドラムに転身し、HR/HMに没頭。在学中よりバンド仲間とITベンチャーを経営し、その後エンタメ事業を手がける会社「Cowboy」を別途立ち上げネットTVなどを活用したアーティストPRに従事した後、音楽×ライフスタイルメディアの「Myuu♪」をリリース。

<好きなバンド・アーティスト>
[邦楽]:X JAPAN/L'Arc〜en〜Ciel/LUNA SEA/WANDS/T-BOLAN/TUBE/BOOWY/矢沢 永吉/BABY METAL
[洋楽]:ANGRA/SlipKnoT/Dragon Force/Dream Theater/

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