NoelliL-ノエリル-が、8月11日(金・祝)にGRIT at Shibuyaでプチワンマン公演「SUMMER PALETTE」を行った。この日は、未完成リップスパークル時代の名曲をNoelliL-ノエリル-として復活させることや新曲の披露もあって、ファンたちも期待を胸に会場に足を運んでいた。
先に、衝撃の発表となった、新穂純麗のNoelliL-ノエリル-からの卒業について触れたい。前身の未完成リップスパークル時代から創設メンバーとして活動。未完成リップスパークルとして7年間。NoelliL-ノエリル-として8か月、みずからの人生をアイドル活動に捧げてきた。これまで一切卒業の素振りを見せることはないどころか、グループが何度も存続の危機に陥ろうと、かならず「私は絶対に辞めない」と口にし続けてきた。何があろうとも、彼女はずっとアイドル人生を送り続けると誰もが思っていた。だからこそ、今回の「2024年1月5日に白金高輪 SELENE b2.で行う、NoelliL-ノエリル-の2ndワンマン公演を最後にグループを卒業します」の言葉は、あまりにも衝撃だった。「発表があります」の声に、フロアから冗談で飛んでいた「辞めないでー」の声が、新穂純麗の言葉を耳にした瞬間止まるどころか、誰もが言葉を失っていた。以下に、当日の新穂純麗の言葉を記したい。
「ここまでの7年8か月、ただただ我武者羅に頑張ってきました。今まで何があっても、どんな思いをしても、大好きなみんなとこの道を進むと。ここが、最後の場所だと思って頑張ってきました。ですが、NoelliL-ノエリル-という新しい環境になり、また新たに頑張ろうという自分がいる中で、気持ちが追いついてない自分もいました。このグループを、わたしは守るって。私は絶対に辞めないってずっと言ってたのに、みんなを悲しませて本当にごめんなさい。
この決断になるまで、本当にたくさん悩みました。スタッフさんやメンバーとも話しあって、私は卒業を決めました。1月5日まで、約5か月間、みんなともっとたくさん想い出を作っていきたないと思っています。大好きだよ、みんなそんな(悲しい)顔しないで。
正直卒業を考えだしたのは、今年の2月からでした。環境が変わり、いろいろあって、めちゃくちゃ悩んで決めました。卒業した後のことは何も考えていません。今は、NoelliL-ノエリル-を卒業まで頑張りたいなと思っています。わたしも卒業を考えることが起こるなんて、以前は本当に思っていなかったです。みんなをビックリさせてしまったなと、すごく思います。1月5日まであと5か月ありますので、みんな変わらず応援して、たくさん会いに来てくれると嬉しいです。ときたまメソメソするかも知れませんが、これからもNoelliL-ノエリル-のことを応援してくれると嬉しいです」
卒業についての思いは、後々、本人の口から改めて語られることがあるかも知れない。ここからは、当日の公演の模様をお届けしよう。
外の暑さとは異なる、爽やかな夏の風をフロア中へ吹かせるように、3人は舞台の上に眩しい笑顔を浮かべて登場。ライブは、『愛称プードル 絶対君しかっ』からスタート。早くも、フロア中から熱い声が飛び交いだす。メンバーたちが飛び跳ねるたび、その場で一緒に跳ねながら声を返すのはいつもの光景。胸をキュンとくすぐるチャーミングな楽曲なのに、沸騰したようなフロアの熱狂ぶり。これも、NoelliL-ノエリル-のライブらしい景色だ。続く『ニンジン』でも、恋する乙女が放つ甘い青春の香りを4人が歌を通して振りまけば、フロアの人たちも、さらに声のボリュームを上げ、高ぶる気持ちを4人に向け、熱く、熱くぶつけていた。『ヒロイン見習い中』では、大好きな気持ちを告白するように歌っていた。ときめく気持ちが膨らむほど、メンバーたちの声のボリュームも上がり続ける。見習い中なのに積極的に、大胆にせまるところもNoelliL-ノエリル-らしさ。攻めたアプローチに刺激を受け、場内中から熱情した声が飛び交っていたのも、当然だ。
この日のタイトルが、「SUMMER PALETTE」。「今日は、パレットのようにいろんな曲をやるから」と七瀬美優が語ったうえで、ここからは、夏を舞台にした曲たちを次々と披露。『サマーパレット』を通して4人は、爽やかな青春の景色の中へみんなを連れ出し、一緒に眩しい思い出を作ろうと誘っていた。『サイドチェインガール』では、「君が好き ただ君が好き」と、愛しい仲間たちへ向け、甘く恋のアプローチ。彼女たちに「君が好き」と歌われるたび、フロア中の猛者たちが「俺もー」と声を張り上げ、恋する思いを返していた。『めちゃラブ♡サマータイム』のイントロが流れだすのを合図に、フロア中から飛びだした熱い口上。メンバーたちはドキドキする気持ちを早口なメロディーに乗せ、少し照れた仕種も見せながら積極的に届ける。いろんな夏景色の中を駆けめぐるようなライブだ。わちゃわちゃ弾けた歌とサウンドが、とても眩しい。少しだけ季節を巻き戻し、ちょっと切ない心模様も零しながら歌ったのが、『春よ、またね。』。哀愁を覚える彼女たちの歌声。対して楽曲は、力強い四つ打ちのリズムを鳴らし続ける。躍動した楽曲の中から、胸をキュッと締めつける切ない思いが胸に飛び込んでくる。だから身体は揺れながらも、ハートは淡い色に染まっていた。いや、いろんな別れの景色や想い出が頭の中へ、巡るように次々と映し出されていた。
次に届けたのが、4人で歌うのはこの日が初披露になった、未完成リップスパークル時代の夏曲『ああっ夏!はんぶんこサマーっ』。気恥ずかしさと、でも滾る気持ちを抑えられない。10代の頃の初恋気分を味わえるのが嬉しい。「もうちょっとだけ君といたいな」のセリフに触れ、フロア中から「おーっ!!」の野太い興奮した声が飛び交っていた。この日は、恋心をキュンキュンと騒がせる楽曲が次々飛びだすライブだ。『ガチ恋♡Melody』でも、ガチ恋気分のメンバーと観客たちが、「もう君に夢中で」と想いを一つに熱く交わしあっていた。4人に向けて飛び交う熱いエールや口上が、互いの関係をグッと深めていた。『ノエリルれろらろ』では、4人が恋する大胆な乙女となり、フロア中の人たちに「躍って」「笑って」とかわいくアプローチ。太陽の輝き以上に眩しい笑顔に触れ、照れを隠すように声を張り上げてはしゃぐメンバーたち。場内中の人たちが、気持ちが騒ぐまま自由に躍る姿も印象的だ。それぞれが、「ノリエルれろら」の呪文にあわせ、無邪気にはしゃいでいた。
次に届けたのが、こちらもNoelliL-ノエリル-としては初披露になる、未完成リップスパークル時代の名曲『加速FANTASY』。ライブも後半戦。4人編成になって表現がレベルアップした理由も加味され、速いBPM以上の加速度を曲に覚えていた。キラキラと輝きを放ち駆け上がるエモいポップチューンにフロア中の人たちが熱く身を預け、腹の底から声を張り上げ、掌が真っ赤になる勢いで手を叩き、喉が枯れる勢いでMIXの声を張り上げるなど、この日一番の盛り上がりを、この空間に描きだしていた。その流れを受けて、彼女たちはエモいアップチューンの『未完成misic』をぶち込んできた。フロア中から飛び交うMIXの声のレベルが、レッドゾーン振り切る勢いだ。4人も、凛々しい歌声を張り上げ、その言葉の弾丸で、観客たちの理性を次々と撃ち抜き、この空間を熱くクレイジーな景色に染めあげていった。ヤバいよ、この歌に触れていると、上がり続ける気持ちを抑えらなくなる。喉を潰す勢いで声を張り上げ、身体を大きく揺さぶり、飛び跳ね続けていたい。エモい気持ちへ染めあげたところへ、NoelliL-ノエリル-は超絶メロメロなラブポップチューンの『いたずらさま~キュンラプソディ』をプレゼント。メンバーらの歌う声に向け、フロア中の人たちが「俺もー」やメンバーコールなど、次々とレスしてゆく。いきなり顔が真っ赤になり、冷静さを失って騒いでしまう。恋に落ちたときの、理性ではコントロール出来ない、恥ずかしいくらいにドキドキした気持ちを、この曲に触れている間中ずっと覚えていた。これもすべては夏の魔法??いやいや、キュンとキュートな魔法を振りまくNoelliL-ノエリル-のせいだ。
この勢いへ、さらにガソリンを注ぎ込むように、最後にNoelliL-ノエリル-は熱狂爆裂アッパーなポップチューン『私信津々恋愛CHU』を歌い、この空間を、絶叫したオーイングが飛び交う夏祭りの場に染めあげていった。一緒に参加したい…じゃない、一緒に熱狂したこの場へ飛び込み、共に声を張り上げ、裸な自分になって祭りを楽しまなきゃもったいない。
アンコールは、フロア中の人たちを胸をキュンとさせるファンタジックな世界へ連れだすように、『プリンセスは、あたしだけっ!』を甘くかわいく歌唱。4人は、ちょっとお茶目でお転婆なプリンセスに心を染め、「愛が足りない」と甘い甘い恋のアプローチを仕掛けていた。
新穂純麗の、卒業という衝撃的な発表。その悲しみを振り切るように、NoelliL-ノエリル-は華やかなチップチューンの『CONTINUE』を歌い、ふたたびこの空間に熱い声を呼び戻した。何回転んでも,何度もコンティニーし続けてきた彼女たち。でも、新穂純麗の卒業は、コンティニューしても戻らない事実…。その衝撃と悲しみは消し切れない。ならば、熱狂の風に乗せて先送りしてしまえと、NoelliL-ノエリル-はふたたび『加速FANTASY』を熱唱。NoelliL-ノエリル-の未来は、まだまだ続いてゆく。だからこそ、この悲しみさえも、その先の未来へ輝く気持ちに変えて繋げようと彼女たちが歌えば、観客たちもひと際大きな声を上げ、悲しみを吹き飛ばす勢いで、みんなが潤む瞼で未来をしっかりと見据え、ピョンピョン飛び跳ね続けていた。
最後にメンバーが、一人一人言葉を述べだした。最後に、4人の言葉を記そう。
「たくさんの方が来てくれた、この空間がめっちゃいいなと思いました。すーちゃんが先に辞めるとは思わなかったですし、7年以上一緒にいたので淋しいですけど。あと5カ月あるので、そこはポジティブに受け止め、みんなと一緒に思い出を作っていきたいなと思います」(雪梨冴愛)
「ことは、あと5カ月の間(新穂純麗に)いっぱいお世話になって、それ以降もお世話になるつもりだけど。少しは自立できるように、この5か月間精進し続けようと思います」(双葉ことは)
「今日のテーマは原点回帰。今もそうだけど、とくにミリスパのときは、みんなにライブを楽しんでもらうためにと全力でやってきた我武者羅な記憶が多いんですね。この日は、4人でやる最初で最後のプチワンマンなんですよ。だからこそ原点回帰をテーマに、大好きだったライブを思い出す曲たちも詰め込んだ内容にしました。ミリスパからNoelliL-ノエリル-になったのは変化じゃなくて進化だとわたしは思っています。ミリスパ時代の7年間も絶対に無駄にしてはいけないものだし、それをNoelliL-ノエリル-に繋げていきたい思いが自分の中に強くあったので、このようなセットリストにしました。すーちゃんが1月で卒業しちゃうんですけど。すごく長いこと一緒にいたので、いろいろ不安ですけど。すーちゃんがいなくなっても自立できるように、この5か月間頑張ります」(七瀬美優)
「いろんな思うことはありますけど。わたしのアイドル人生、いろんな濃いことがたくさんあったし、応援してくれる一人一人と出会えたことは本当に良かったなと思います。今までたくさん心配かけてきたと思うけど。これからも、そういう思いはさせてしまうと思います。それも含めて全部いい思い出にして、残りの5か月楽しんでいきたいなと思います。これから先の5か月間のライブの中、急に泣きだすかも知れませんが、それも含めて、みんなと出合えて良かった日々にしたいです。これからもNoelliL-ノエリル-と一緒にたくさんの時間を過ごしていけたらと思います」(新穂純麗)
PHOTO:磯﨑匠臣
TEXT:長澤智典
★インフォメーション★
【2nd ワンマンライブ開催のおしらせ】
2024年1月5日(金)@白金高輪 SELENE b2
NoelliL 2nd ワンマンライブ 「はじまりの場所」開催決定!!
OPEN 18:00 / SATRT19:00(予定)
※21:00終演予定。23:00物販終了予定。
チケット
https://t.livepocket.jp/e/4ym6r
【新穂純麗 生誕祭】
2024年10月15日(日・昼)@GRIT at Shibuya
SNS
https://lit.link/NoelliL
https://twitter.com/NoelliL_idol
セットリスト
『愛称プードル 絶対君しかっ』
『ニンジン』
『ヒロイン見習い中』
『サマーパレット』
『サイドチェインガール』
『めちゃラブ♡サマータイム』
『春よ、またね。』
『ああっ夏!はんぶんこサマーっ』
『ガチ恋♡Melody』
『ノエリルれろらろ』
『加速FANTASY』
『未完成misic』
『いたずらさま~キュンラプソディ』
『私信津々恋愛CHU』
-ENCORE-
『プリンセスは、あたしだけっ!』
『CONTINUE』
『加速FANTASY』
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