バンド演奏を背景に6人が見せた、激熱なライブ。Pretty Ash「Pretty Ash ONE-MAN GIG~night〜」公演レポート。

2022年12月30日、Pretty Ashは、2023年2月25日ワンマン公演を持って現体制を終了することを宣言。発表を聴いた当時は、その実感をなかなか持てずにいた。正直、今もその実感を強く持てずにいる。でも…。

2月4日、Space emo池袋を舞台にPretty Ashが行った「Pretty Ash ONE-MAN GIG」へ触れたとき、今の彼女たちと出会う機会が間もなく終わりを迎えることを実感した。いや、せざるを得なかった。
この日は、バンドを従えたライブ。ここでは昼夜行われた公演の中から「~night〜」公演の模様をお伝えしたい。

気持ちを嬉しくアゲるバンド演奏に乗せて、推しメンカラーTシャツを身につけたメンバーらが舞台へ登場。ライブは、マイクを手にした左腕を右手で叩きながら「頼りないこの信念 隠して 戻れない 一方通行人生嘆いて~」と力強く歌いだす『STEADY』からスタート。HARUKAの「拳上げてくぞー!」の叫び声に合わせ、フロアからも数多くの拳が突き上がる。胸の内から沸き立つ情熱を、6人は凛々しい歌声に乗せてフロア中へ響かせていた。曲が進むごと、メンバーの歌声にどんどん力が漲ってゆく。それは、迫力あふる音で彼女たちの背中を押すバンド演奏や、場内中で熱情するファンたちの気合も重なってのこと。いつもとは異なる、バンドライブだからこその迫力と臨場感が早くもこの場に生まれていた。

6人は爽やかな歌の風を運ぶように『Say Hello』を歌いだした。メンバーらは大きく手を振り上げ、「Say Hello ここにいるよ」と、この場で、一緒に笑顔と熱を分かち合おうと誘いかける。6人とフロア中の人たちが大きく振り上げた手を揺らし、あふれる思いを一緒に分かち合っていた。「拳ー!」の声に合わせ、次々と拳の突き上がる景色も素敵じゃないか。

「遠く描いた空飛び越えてゆけ 奪えはしないんだこの翼はずっと」と、熱情した声を重ねあわせ、6人が力強く歌いだした。彼女たち自身が、突き上げた拳や大きく揺らす掌を翼に変えていた。舞台という大地を蹴り上げ、『僕たちはイカロスじゃない』を歌いながら心を解き放つように羽ばたいていた。心は誰にも、何にも縛られることない。彼女たちの声が、光や自由、明日を与えてくれるのなら、この一瞬だけでもすべてのしがらみを解き放ち、Pretty Ashと一緒に羽ばたこうじゃないか。

凛々しさと、気持ちを晴れ渡らせる解放感。今宵のPretty Ashは、2つの表情を1つの流れの中へ巧みに組み込んできた。続く『アイデンティティ』で6人は、晴れた歌声を響かせていた。でも、曲が進むにつれ、気持ちを鼓舞する歌詞に刺激を覚えたのか、歌声が熱情してゆく。むしろ、高ぶったこの感情を、彼女たちと一緒にもっともっと熱く燃え滾らせていたい。メンバーらが口にした「拳を上げてー!!」の言葉に刺激を受け、掲げていた拳を、これまで以上に力強く観客たちが突き上げていた。互いの気持ちが通じあっているこの関係が胸熱だ!!

ここからは、ユニットコーナーへ。いや、3人ずつなのでトリオ編成のコーナーというべきか。最初にマイクのバトンを手にした初期メンバーのRURIKA/AKANE/MIOが歌ったのが、『限界突破でWe Go!』。彼女たちは、何度だって逆境に抗いながら走り続けてきた。強い信念を胸に、いつだって限界を越えてきた彼女たちだからこそ、凛々しい歌声を魅力に、この曲へ強い説得力を与えていた。ここへ至るまでの日々を改めて振り返り、その経験さえもすべて目一杯振り切ったパワーに変えながら、いつだって限界を突破する勢いで私たちは突き進むと、強い意志を示していた。

歌のバトンを受け取ったのが、HARUKA/SARA/INORIの同期3人。彼女たちは襲いかかる困難の数々を吹き飛ばす勢いで、『Reality』を高らかに熱唱。ときにファルセットも交え、沸き立つ思いのままに歌い叫び続けていた。情熱モンスターHARUKAの歌声を筆頭に、SARAもINORIも、気持ちが激しく揺れ動くまま、高らかに歌声を上げていた。

次に6人で届けたのが、彼女たち自身も所属しているバクステ外神田一丁目(現・外神田いっちょめ)の卒業ソング『旅立ちへの涙』。青春パンクのような匂いも含むロックナンバーに乗せ、メンバーたちは、言葉のひと言をひと言へ輝きをまぶしながら歌っていた。Pretty Ashの色とは異なる表情でありながら、歌詞の面では共通性を覚える歌を持ってきたところが嬉しい。でも、「素敵な未来へ向かって羽ばたけ」と歌うこの曲を、現体制終了を間近に控えたこの時期に耳にしたことで、瞼が滲まずにいれなかったのが、本音だ。

ライブは、ここから後半戦へ。「恋は毒だ 恋は毒だ 恋は毒だ」と凛々しく連呼する『恋は毒だ』でメンバーたちは、ちょっと妖しい声も巧みに織り交ぜ、熱情パンキッシュな楽曲に乗せ、エモい歌をガンガンに突きつける。エモく妖しい刺激を受け、フロア中の人たちの感情もふたたび上がりだす。いや、メンバーらと一緒にヘドバンしたり激しく拳を突き上げるなど、一緒に気持ちを熱く染め上げていた。

青春パンクソング『はじまりのうた』が流れだしたとたん、めちゃめちゃ胸熱な気持ちになりだした。この曲に触れたとたん、10代の頃の、何事にも夢中に、我武者羅に立ち向かっていた無敵な自分の心が甦る。エモーショナルな演奏と歌声に乗せ、滾る気持ちをすべて拳に集約し、思いきり突き上げ続けていたい。落ちサビで、6人と一緒に掌が腫れ上がる熱くクラップをしていたい。そこからラストに向かってぶっ飛んだ気持ちを胸に全力ではしゃぎたい。本当に激エモで、感情爆アゲな楽曲だ!!

最後にPretty Ashは、『Believers』を熱唱。青春パンクソングの二連打は。いや、『恋は毒だ』も加えたら、エモいパンクナンバーの三連打は、めちゃくちゃ胸を熱くさせる。歌詞に気持ちを重ねるのは、もちろん。それ以上に、沸騰したこの感情を、イキきるとこまで上げ続け、絶頂まで突き抜けたい。バンド演奏が加わった理由があるにせよ、いつも以上にヤバエモな心模様で6人はせまっていた。感情壊れるまで騒ぎたくなる気持ちも、そりゃあ当然だ。

アンコールでPretty Ashは、ふたたび1stシングルの『アイデンティティ』を歌唱。「明日笑えるような未来を願い続けてる」と歌いながら、終わりの時を…じゃない。その先に広がる、次の未来へ向けた自分たちの姿を思い描くように歌い、この日の幕を閉じていった。

現体制としてのライブは、2月25日、横浜みなとみらいブロンテでの公演が最後になる。その先の未来へ希望を馳せるうえでも、大きな一つの区切りの場もしっかり目撃しておきたい。というか、気持ちをエモくしてゆくPretty Ashのライブを、ただただ楽しみたいだけなんだけどさ。

TEXT:長澤智典

Pretty Ash ワンマンライブ〜現体制終了ライブ〜
【日程】2023年2月25日(土)
【会場】横浜みなとみらいブロンテ
住所:横浜市西区みなとみらい5-3-1
【時間】開場18:15/開演18:45
【チケット】
SSチェキ付き優先入場券(整理番号1〜20):10,000円
前売券:4,500円
当日券:5,000円
※別途ドリンク代が必要です

【配信】
視聴チケット2,800円
※アーカイブは、3/4 23:59までご覧頂けます。

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SNS

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